まなキキ・ラジオ(第一部・無印) 第2回 F・Gパート(終)キー概念:「規律・訓練型権力」
Summary
TLDRこのラジオ番組では、社会学における規律訓練型権力の概念をミシェル・フーコーの理論を通じて掘り下げる。学校教育や公衆衛生の専門家に話を聞くことで、権力の新しい在り方を探求。教育システムにおける規律の重要性や、それが社会人への育成に与える影響について議論。パノプティコンのメタファーを使い、現代社会における自己規律の重要性を浮き彫りに。最後に、公開生放送でのファンとの交流に向けて期待をかき立てている。
Takeaways
- 📚 スクリプトは、社会学におけるミシェル・フーコーの理論を探求しています。特に、規律訓練型権力について議論しています。
- 🏫 規律訓練型権力は学校教育において権力の行使方法を象徴しており、生徒の行動を規制する学校のルールを通じて実装されています。
- 👀 パノプティコンという概念は、監視されるかもしれないという不安から、人々が自ら規律正しく行動するように仕向けるものだと説明されています。
- 🔍 フーコーは権力の在り方が時代とともに変化し、暴力的なものから規律を通じた制御へと移行していると指摘しています。
- 👨🏫 K原先輩とM先生は、それぞれ学校教育と公衆衛生という分野で規律訓練型権力の専門家として、その権力の働きを具体的に語っています。
- 💼 教育は従順な労働者、すなわちエリートサラリーマンを作り出し、社会に適応する主体性を育成する役割を果たしています。
- 📖 フーコーの「監獄の誕生」は、教育システムと矯正施設の類似性を探求する名著で、権力の変化を捉えています。
- 👷 産業革命後の工場労働において、規律訓練型権力は自立した労働者を作り出し、生産性を高めるために重要な役割を果たしました。
- 👥 近代的主体は、規律訓練型権力によって作り出され、社会のルールを内面化し、主体的に守ることが求められています。
- 🚫 しかし、この権力の形式は、社会の規範に反する者や逸脱した者に対して制裁を科すことで、差別や排除をもたらすこともあります。
- 🌐 最後に、規律訓練型権力は社会の様々な側面にわたって影響を及ぼし、私たちの日常生活や社会構造に深く根ざしています。
Q & A
ミシェル・フーコーが提唱した「規律訓練型権力」とはどのような概念ですか?
-「規律訓練型権力」とは、人々を規則に従わせることで社会を統治する権力の形態です。学校教育や医療現場などで、規則や訓練を通じて秩序を作り出し、個人をコントロールする手法を指します。
フーコーが「パノプティコン」という監獄のモデルを例に挙げた理由は何ですか?
-「パノプティコン」は監視塔から囚人を見ることができるが、囚人が塔から見られているかどうかわからない構造を持つ監獄です。このモデルは、常に見られているかもしれないという不安感に駆られ、自ら規律正しく行動するように仕向けるものだとフーコーは述べています。
学校教育における規律訓練型権力の目的は何ですか?
-学校教育における規律訓練型権力の目的は、規律を守り、社会に適応できる主体を育成することです。これにより、社会人が自立し、労働市場で働く準備が整うようになります。
ラジオで話された「Learning Crisis」とは何を指していますか?
-「Learning Crisis」とは、現代の教育システムにおいて生じる学習の危機を指します。この危機は、教育の目的や方法、さらには教育そのものへの疑問をもたらすものであり、新たな教育のあり方への探求を促します。
産業革命と規律訓練型権力の関係について説明してください。
-産業革命は、労働形态を大きく変え、農業社会から工業社会への移行をもたらしました。工場での労働は規律的で継続的な作業を要求し、規律訓練型権力が登場しました。この権力は、労働者を自立させ、規律を守ることを求めることで、効率的な生産を促進しました。
フーコーが提唱する権力の在り方の変化とは何ですか?
-フーコーは権力の在り方が、過去の公然とした暴力や刑罰から、より細かく個人をコントロールする「規律訓練型権力」へと変化したと提唱しています。この新しい権力の形は、個人が自ら規律を守ることを内面化し、社会の統治を助けるものです。
ラジオの司会者が「規律訓練型権力」をどのように説明していますか?
-司会者は「規律訓練型権力」を、学校の規則や服装規定などの具体例を通じて説明しています。これらの規則は、学生の行動を制御し、社会が求める規律を守る主体を育成することを目的としています。
「新しい生活様式」が示す規律訓練型権力の特徴は何ですか?
-「新しい生活様式」は、法律ではなく自発的な行動を通じて社会を守ることを強調しています。これは規律訓練型権力が、個人が自ら規律を守ることを内面化し、社会の統治を助けることを示す特徴です。
フーコーの「環境管理型権力」とはどのような概念ですか?
-「環境管理型権力」は、フーコーが提唱する別の権力の形態で、個人を環境の中で最適な状態に保つことを目的としています。この権力は、個人の自由を尊重しつつ、環境を調節することで社会の秩序を保ちます。
ラジオ番組の最後に司会が何を強調しましたか?
-ラジオ番組の最後に司会は、番組が提供するディスカッションや学びの機会を通じて、リスナーが深い理解を得ることができることを強調しました。また、公開生放送での直接の交流の重要性を呼びかけています。
Outlines
📚 規律訓練型権力の解説
この段落では、社会学における規律訓練型権力について解説しています。ミシェル・フーコーの理論を紹介し、学校教育におけるその権力の働き方と、教育と公衆衛生分野での実践を専門家K原さんとM先生に語ってもらいました。規律訓練型権力は、学校の規則を通じて人々の行動を統制する現代の権力の形として、パノプティコンという監獄のモデルを通じて理解されるようになっています。
🏭 近代的な主体の育成
この段落では、学校教育が近代的な主体を育成する役割について議論しています。産業革命後の工場での労働組織に着目し、規律訓練型権力が自立した労働者を作り出すプロセスとして機能する理由を解説。また、教育が従順な労働者やエリートサラリーマンを作り出すプロセスとなっている点に触れています。
👮♂️ パノプティコンの効果と内面化
この段落では、パノプティコンの概念が人々の行動に及ぼす影響について深掘りしています。監視からくるプレッシャーが、人々に規律を内面化させ、自ら規律を守ることを選ぶよう導く仕組みを説明。産業革命後の工場における規律訓練型権力の必要性と、それが現代社会にどのように残響を与えているかについても触れています。
📘 規律訓練型権力の社会的影響
この段落では、規律訓練型権力が社会に与える影響について議論しています。権力の優しさの仮面の下に隠された制裁や差別、そしてその権力が社会人への道を築く一方で、異なる生き方や可能性を排除する側面について述べています。また、フーコーの他の権力の形についても触れ、環境管理型権力などへの言及があります。
🎙️ ラジオ番組の締めとリスナーへのメッセージ
ラジオ番組の最終段落では、番組の内容を振り返り、リスナーに向けて感想を募ります。公開生放送での最終回に向けての期待をかき立て、番組の意義とリスナーの期待に応える形で締めくくります。また、番組の後半パートへのオリジンも告知し、リスナーの興味を奮励させる意図があります。
Mindmap
Keywords
💡ミシェル・フーコー
💡規律訓練型権力
💡パノプティコン
💡監獄の誕生
💡学校教育
💡新しい生活様式
💡労働者の訓練
💡矯正施設
💡主体の統治
💡ラーニングクライシス
Highlights
社会学における鍵概念・用語について解説するミニコーナーの紹介
ミシェル・フーコーの理論に焦点を当てた今日のテーマの発表
規律訓練型権力についての説明と、教育や学校での応用
テキスト指定用語に関連する規律訓練型権力の議論
専門家K原先輩とM先生による規律訓練型権力の具体例の説明
学校教育における規律訓練型権力の実態と影響
フーコーの「監獄の誕生」における権力の在り方の説明
パノプティコンを用いた監視のメカニズムとその心理的影響
教育と社会人への遷移における規律訓練の役割
現代の労働者への遷移と規律訓練型権力の関連性
教育制度が労働者を作り出すプロセスについての考察
規律訓練型権力が主体的に内面化されるメカニズムの重要性
産業革命後の労働環境と規律訓練型権力の必要性
学校教育が規律訓練型権力の舞台であることの意義
規律訓練型権力の「優しさ」の裏にある本質的な目的
社会ルールからの逸脱者に対する規律訓練型権力の影響
フーコーの他の権力観について触れる、環境管理型権力の存在
ラジオ番組の内容と公開生放送でのリスナーとの交流の意義
Transcripts
(ジングル まなびに・ウキウキ・まなキキ♪〜) ベルの音が大きいことがありますので、 ボリュームにお気をつけください。
さてこのコーナーでは最後に、
社会学において鍵となる概念・用語について、先生方・先輩方から解説をいただくというミニコーナーも続きます。
では、今日のお題をどうぞ~!
はい、今日のお題はね、ちょっと難しめなんですね。
あの皆さん方にビデオで観ていただいているあたりですね、
えっと、第2……あ、後編か。
後編(2)のところでミシェル・フーコーというですね、まぁ哲学者、社会学者……社会学者の方がいいのかな。
っていう人のですね、理論が出てきたんですね。
で彼が教育とか学校というものをどう考えていくのかってことに関しての説明を少ししていたところがあったと思うんです。
あともう皆さん方に届いていると思うんですが、そこにですね、
テキストとして指定させてもらっているものの中に出てくる用語でもあるんですね。
彼はですね、権力というものに「規律訓練型権力」って話をしているんですよ。
これはね、学び、Learning Crisisという点ではすごい面白い。
なのでこの辺あたりね、実はねこれね、
私たち丁度ラッキーなことに専門家をお二人お迎えしてるんですよ。
もう規律訓練型権力のね、披露される土台たる学校教育の専門家であるK原先輩とですね。
あとこの規律訓練型権力がもう一つ働いている医療の現場のね、
公衆衛生みたいなことを勉強されてきたM先生がいらっしゃるので、
お二方に聞いてもらおうかな。
じゃあH松さんお願いします。
はい!と言うことでまあ皆さんはまず教育の方から気になりますよね。
はい、K原先輩からお願いします。
はい、えっと……そうですね(笑)
あのぜひM先生に補足していただきたいと思っているんですけど。
規律訓練型権力っていう話をフーコーがしているんですが、
規律訓練型権力っていうのは、多分皆さんにとって身近なのは
あの学校の規則、例えば前髪が眉にかかってはいけませんとか、白い靴下しか履いちゃいけません、みたいな
そういうあの規則で人の、なんて言うんですかね?
行動?言動?を従わせるみたいな。
ストレートに何々してはいけませんってことで人を従わせるみたいな……権力だと……思って……おります。
補足をぜひお願いします……。
はい。補足依頼が来ていますので、
ぜひ公衆衛生の立場からあのM先生にお伺いしたいと思います。
こうやってプレッシャーを上げて振られることほど嫌なことってありませんよね。
すみません、すみません(苦笑)
ね、ひどいね~。
あの全部ね、先生がね全部回収してくださると思うので、
安心してその辺間違えているとやだなって思うんですけど、
私もちょっとまた先生に補足していただくという体で話してみようと思うんですけど、
フーコーはなんか権力の在り方の変遷みたいなものを
「監獄の誕生」という本の中で説明していると思うんです。
で、フーコーは、そのかつての権力というものは刑罰、残虐に殺すっていうか
なんかこう力の見せしめというか、どれだけ酷い殺し方をするかっていうことをもって、
自分の持っている力の強大さとか権力の在り方みたいなものを示していた時代があったけれども、
それがある時代から変わったと。
で、その時によく例として、フーコーが例として挙げているのが
ベンサムがあげている「パノプティコン」という監獄の話しになっていて、
それはどういう監獄なのかというと、
あの檻の中に入っている囚人は、監視している人?役?
なに?監視している人ってなんていう……
看守ですか?
ふふふふ。
看守、看守。
語彙がないですね。
国語なのにね。
で看守から見張られていることは見えないのだけれども、
そのなんでしょうね、
円環状になっている看舎の一番中央に塔みたいなものが中央に立っていて、
その中央の塔の上から看守はずっと囚人を見ているということになっている。
なので囚人は見られているのかは分からない、実際見えない、看守の姿は見えないのだけれども、
もしかしたら見られているかもしれないという風に常に思わさせられてしまうので、
規律正しく、怒られないように罰せられないように振る舞うことになってしまうっていうような、
そういったなんて言うんでしょう?システムというか、
ある制度的にこう上手く権力を使っていくっていうシステマティックにこう力を振るっていくみたいな、
そういった新しい権力の在り方みたいなものを説明している、と思っていて、
でだからさっきK原さんも話してくださいましたし、前回のラジオの中で最後の方かなぁ、
あの学校というものがはみ出すことを正していくような教室とか、
学習指導要領とか教科書テキストブックを見るみたいな
そういった形に囚われているみたいな展開、
先生が話してくださっていたことと繋がってくるのかなというふうに思う、
と言うところで助け船を出したい、
助け船を出したいじゃなくて頼みたいと思います。
それは誰に対する助け船?
先生ですよ(笑)
あ、私が助け船を出すんですか。いやいやいや、
だめですか。
あ、いやいやいや。でもすごい、
あのお二方とも、特にM先生のご説明はすごい的を得た良い説明でしたね。
そう、そういう権力の在り方みたいな話が多分ここで見えてくるんですよね。
これでもうH松さんあと少し補足したらもうこれで完璧なんじゃないですか。
そう、うん、まぁ労働というところから、
もう今日そればっか言ってますねなんか今回の回(笑)
まぁ大事だよね。
まぁ結局そうやって学校っていういわゆる場所で、
あのまぁなんていうかな、
こう例えば遅刻しちゃいけないとか
まぁこう授業中に人の話を聞きましょうとか
まぁ結構まぁこうやって教育されるわけですよね。
で、それがどういう、社会にじゃあ大人になったときにどういうところに繋がってくるのかなってなると、
やっぱりそれは会社の中でのこう自分の働き方というか、
まぁ良いいわゆる労働者というか良いエリートじゃないけど、なんていうのかな、
エリートサラリーマンみたいな感じの社会人として、
いわゆる従順だっていう人達をまぁ作っていくということにも繋がるんじゃないかなという風には思います。
なるほどね。従順な人達をね、作っていくとね。
そうですね、だから問題はこれが教育、学習というものと、
あえて教育といった方がいいですかね、
教育といったものとどういう関係があるのかみたいな話しまでね、多分説明が出来ると、
フーコーが言ってたような議論ていうものもね、
結局あの動画もフーコーが教育という議論をしようとしてたっていう過程で出てきたじゃないですか。
そうなんですよ。例えばあのM先生もおっしゃってましたけれども、
あのなんで「監獄の誕生」って……
「監獄の誕生」は名著だよね、ほんとに一度ぜひお読みください、すっごいわかりやすいから。
で、ミシェル・フーコーと言う人の出世作の1つになっているんですけども、
あれを書いてた、
でなんで監獄なのかっていうと、監獄はあれ教育システムなんですよ。
矯正って言うでしょ。
矯正ってあの強いる方ではなくって正す方ね。
正しくするっていう方の。
あの矯正施設なんですよね。
正しくするための施設、教育施設なんです。
同じように就職活動なんか多分そうでね、就職活動って何かというと労働者を産み出すんですよね。
だからやっぱりジョブトレーニングなんですよ基本的に。
私たちはトレーニングを受けて労働者になるわけです。
それまではそんなことなかったんですよ。
だから農作業とかね、あれトレーニングじゃなくて本当に人のまねっこをするわけですから。
あとなんていうの、手工業とかね。
あれは徒弟制度みたいな感じで弟子入りしてすごい学ぶんですよ。
そうじゃなくてちゃんと勉強するということによって労働者になるというのはすごい面白いですし、
それこそね、K原さんがやってらっしゃる教育というものの制度がね、まさにそれを代表してるって話になるわけですよね。
だからそこのあたりを、権力の在り方がそういった形で変わっていくんだということをね、
ぜひ考えてみていいんじゃないかなと思ってこのテーマを出しましたし、
考えてみたいなと思ってるんですよね。
あのねお手元にある方はもしよろしければぜひ見ていただきたいと思うんですけれど、
この、この今日出てるね3人は誰一人として持ってないので困ったもんなんですけど、
あのこういうテキストをですね、この授業で指定させてもらってるんですけど、
その中にですね第3章っていうのがあって、
そこで実はね規律訓練型権力って話が出てるんですね。
だいたいどの辺かな、55ページくらいからかな、
この辺あたりをちょっと見てみると結構いいかな~と思うんですね。
この前後くらいかな、もうちょっと前から、
51ページくらい見ると良いかもしれませんね。
そういう話なんですね。
で、どういうことなのかというと、
だからあの難しいなと思った方ぜひこの辺あたり読んで補足してください。
それこそM先生がおっしゃっている助け船みたいなものになってると思います。
これまで権力っていうのは基本的には何かしちゃだめっていうね、
学校のルールみたいな形もさっき出てましたけど、
何かしちゃだめっていう感じで禁止するもの、
でそれをやらない、やっちゃだめで、
やったらお前すごい罰が下されたり、
ないしはぶっ殺しますよみたいな感じだね、言葉悪いけど。
そういう感じだって普通思ってたんですよ。
だから私たち別に強制されないでしょう、皆さん方。
例えば新しい生活様式とかで強制はされてませんよね。
自分たちで選択的に守ったわけですよね。
ステイホームもそうでしょ。
私たちはステイホーム自分たちでしてるわけですよ。
誰かに命令されて、お前ステイホームしないと、刑務所ですよとか言われてやってるわけじゃないんですよね。
まぁそういう法律作ろうって話も出てきたみたいだけどね。
今のところはそうなわけです。
実はこの自分たちで選択した結果やっているっていうのが、
それこそM先生がおっしゃったようなパノプティコンの構造で、
つまり何かそうしなくちゃいけないっていうふうに思っているからなんですね。
これねすごい大事なのは何かというと、見張られているからって話があったでしょ。
監視がいつ見ているか分からないから私たちは守るんだ、
実はフーコーは更にその、
これはベンサムのパノプティコンですけど、
フーコーは更にそこから一歩飛躍するわけです。
何かというと、いつでも見られているからやらなくちゃいけないと思っているということは、多分見られてなくてもやるんですよ。
むしろ喜んでやるようになるんだね。
ここがポイントなんですね。
自分でこうした方が良いんだというふうに思って、選択的にそれに従うわけです。
これがすごい大事で、だから王様とか貴族とか偉い人とか政治家とかないしはお役人とかがずーっと見張ってないとやらないんじゃ権力としては弱いんですよ。
本当の権力という、より強い権力は、その人は誰にも見られてなくても喜んでやるようになることなんです。
これが権力の在り方っていうので、
これが、このためにじゃあ何が必要なのかというとこのために必要なのは、
それが守られるべきであってどう守れば良いのかってことを自分の中でちゃんと判断して守るべきだという規律をちゃんと自分で身につけて、
でそのための技法をちゃんと訓練を受けて出来るようになることなんですね。
なぜこういう権力って、
こういった主体ですね、
権力によって統治される主体が集まったのかというと、やっぱり産業革命とかなんですね。
で、工場で労働するっていうのは農業と違うんですよ。
農業っていうのは基本的にリーダーがいてね、
その首謀者がいてその人が種をまきなさいと、あと畑であれしなさいとみんなでやるわけです。
みんなで相互監視が効いてるのでそれで集団でやるわけですけども、
だから奴隷くらいが丁度良いみたいな感じのことはあったりするんですけど、大規模な農業の場合はね。
ところが工場はそういかないんですね。
工場っていうのは基本的には流れ作業とかベルトコンベアの作業みたいな感じがあったりしますので、
なんでずっとその工場の指導員とか指導者とかそれこそオーナーがね所有者が見ているわけにいかない。
だからそのときに自分がちゃんとこうやって働いた方が良いんだと、こうやって働くべきなんだ、
ということを自立したね、自立した労働者としてやるっていう。
そのしゅん……その総体って言うのかな、
その集まったものとして工場が運営されるっていうのはすごい大事なんですね。
だからこういった人を、人をね、
規律的なものを身につくというか内面化し、かつ訓練を受けて、
しっかりとした労働者として一本立ちしてやっていけるような人間が広く求められるようになったわけです。
でこれを育てるものが、
これに、これをね、
これによって人を統治するものが規律訓練型権力と言って、
その舞台が、一番の舞台が学校教育だったんですね。
学校教育の一番最初の、そして最も学校教育が根源的に持っている使命は、
規律訓練型権力によって統治される主体、統治されるような市民を育成することなんですよ。
これを私たちは近代的主体なんで言ったりするんですね、
フーコーとかもね言ったりするんですね。
今回の話に、ラインクラスに結びつけてみるとね、
学校教育が何を取り戻そうとしたのか、
例えば時間割を守りましょうとかね、ちゃんと受験勉強しましょうとかね、
この辺が露骨にあらわれてるんじゃないかなーと思ったりすることもあったりするわけです。
他の面でもたくさんあると思いますよ。
例えば新しい生活様式なんか典型的だと思いますよね。
あれ新しい生活様式って法律じゃないですよね。
命令されてないんですよ。
むしろ皆さんみんなこの新しい生活様式を守ろうと思ってるわけでしょ。
守ってみんなで社会を守ることが大事だ、
社会を防衛することが大事だってやっぱみんな思ってるわけです。
これによって統治することを、規律訓練型権力による統治、これ代表例だと思うんですね。
法律によって決めて罰するとか、
その人が守ってなかったら監獄にぶち込んだりぶち殺したりする、
だから命令する、誰も命令してないんです今回。
命令するんじゃなくって、これを守ってください、
守るべきなんですよ、
あ、守らなくっちゃなっと思う。
それでみんな同じような形でそういった行動様式を取るようになって、
そこから逸脱する人間は、極めて強くその権利を奪われたり、差別の対象になったり、
いわゆる権力のね守ることが出来てない、
統治として統治されないですっていう非難を受けるようになるわけですね。
こういったような統治の在り方っていう。
でこのテキストの中でですね、第3章までですね、キーワードは優しいっていう話なんですね。
規律訓練型権力はね、優しいんですよ。
あなたのことを考えてあなたのためになるんですよ、
この規律を守ることはあなたのためなんです、
この訓練を受けることはあなたが一人前の社会人として、で就職してやっていけるためなんですっていう形なんですね。
という形をもってくるんです。
でその結果として、私たちは他の可能性であったり他の自分の生き方であったり、あとそこから逸脱してしまうような人とかね、
それになかなか入ってこれない人。
例えば労働時間を確保できない障害がある人とかね、
あとその社会のルールを、
それこそなんかこれも一昔前の話ですけど
いわゆる、なんて言うんですかね女性差別みたいな感じでね、
女性は家庭を守るべきだみたいな規律みたいなが昔あったりして、
そこから逸脱した、
これもう逸脱した方が良かったわけですけど、
逸脱するような人達に対し、まぁ1つのサンクションをもったりパニッシュメントみたいな形で働いてしまったりする。
この辺あたりにですね、規律訓練型権力というものがやっぱ見えてきてまして、
あなたのためですよっていうのを装う優しさがね。
でかつですね、その舞台こそが実は学校教育だったなんていうのは結構重要な、
そして現在のラーニングクライシスだからこそ見えるですね、
社会学の論点なんじゃないかななんて私は思ったりしています。
皆さんはどう思われたでしょうか。
実はこの規律訓練型権力以外の権力の話もねミシェル・フーコーはしてるんですよね。
なんかこの中でご存じな人いらっしゃいますか。
やっぱりM先生かな。
もう一つフーコーがいってる権利のことってちょっとどんな……どのあたりですかね。
えっと、ちょっと待ってください。
急に振られちゃ(笑)
あぁ、ごめんごめん(笑)
えーっと、ちょっとなんだっけ……
位置づけはね。
あ、K原さんは、K原さん。
K原さんは?
K原先輩。
えっと。環境管理。
おー。
ですかね。
おー。
社会学勉強してるフリしてる。
フリしてるとか言ってますけどね(笑)
そう、環境管理型権力なんて言われたりしますね。
この辺の話はね、おそらく授業で言うと第3タームと言いますかね、
後期、学習院だから後期ですかね、
ぐらいで話せるんじゃないかなーと思ったりしてるんですけど、
この本にちょっと書いてあったりするので、ちょっと勉強してもらえるとまた面白いかもしれませんけどね。
ということで、えっとこんなところかな。
(ジングル ♪〜)
ということで、まなキキラジオえっと第2回後半、楽しんでいただけたでしょうか。
おー、アンカー奪い返しましたね。
ちょっと噛み噛みでしたけどね。うーん。
ということでえっと、このラジオが公開されているのは6月29日になるんですかね。
そうなんですよ、6月29日、
なんとまなキキラジオ公開生収録、
公開生放送の当日の朝にこのラジオも一緒にお届けしている予定であります。
なんか、私たち中の人達に会える一応最後のチャンス、
リアルでまた会える方は会いたいなって思いますけど、
ラジオを通してお会いできるのはこれが最後のチャンスなんですかね。
そうね。
そうねー。
あれでもなんか白衣博士とかはどうするんですか。(笑)
ははは。
どう、なんかお便り結構来てんの?
いやなんか、「白衣博士って結局何者?ずっとしゃべらないんですか」
っていうお便りが来てるって風の噂を聞いたんですよ。
うっ
じゃあ白衣博士は、その当日の公開生収録でその正体がバラされてしまう、明かされてしまうってことですね。
じゃあそれはみなさんメチャクチャ楽しみにしていただきたいですね。
私が言おうと思ったのにまたその台詞取られちゃった。
ということでそれではまなキキラジオこの辺で終わりにしたいと思います。
え、私の台詞もとられた。
えー。ちょっと大切なものをK原は奪っていきましたということで、
最後にですね、それはあなたの心かもしれませんがと、一言まとめて終わりましょう。
はい、ということで、ラジオ形式でお届けしてきましたまなキキラジオ、いかがだったでしょうか。
このラジオというのがですね、直接語りかけるという効果、
あとねこういった今日もね素敵な方々に来ていただきましてみんなで話す、
ディスカッションしていくっていう効果を狙ったんですけれども、
これも1つの学びの挑戦という形で受け取っていただけれるとありがたいと思っております。
でも本番はこっから。
公開生放送、生収録こそが本番です。
ぜひ当日お会いいたしましょう。
お疲れさまでした。
また公開生放送で。
まなキキ・ラジオ無印第2回は、これでおしまいです。 おつかれさまででした。 次は、まなキキ・ラジオ・V 第2回のAパート をお聞きください。
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